変わらなくていいんだよ。
うつむきになって、枕に顔をうずめると、ぼつぼつぼつって雨が降ってるみたいな音がするのが好き。
でも、やっぱりそのままじゃ眠れないから、くるっと寝返りをうって、天井をみる。
目を閉じると聞こえるのは、
変わらなくていいんだよ。
の言葉。
ありがとう。
って、安心して眠れるよ。
変わらなくていいんだよ。
それは、私がずっとずっと探していた言葉だった。
カンボジアのとある村の
満天の星空。
木漏れ日が落ちる赤土の道。
裸足の子ども。
家族みんなで、寝る部屋。
みんなを起こすニワトリ。
風にきらめく、稲。
変わらなくていいんだよ。
め と ぬ が分からない子ども。
ずっと、椅子に座ってられない子ども。
変わりたいと思ったら、変わればいい。
泣き虫な私。
弱さを見せれない私。
甘えるのが好きでわがままな私。
変わりたいと思わないなら、変わらないでもいい。
そうだよね。
まるで、ジクソーパズルの最後のピースがはまるように。
ぱちっ
という音がした。