sumatra and cinnamon

私の好き勝手な空間。想いと知恵と発見をつらつらと。


手紙が今日はあるらしい。
学年だよりの他に、不審者が出たというお知らせだ。
珍しいことではない。
プリントの形式を遠目にみるだけでも、ああ、不審者また出たのねと分かるくらいに慣れていた。

気をつけるように。
そんな言葉すら先生も言いやしない。
まあとりあえず1人1枚もらうこと、
それが大事だった。

思い返せば、最初は、そのプリントを見ると、
きもい。や、こわい。くらいのコメントは、していたかも知れない。
でも今は、机の中でぐしゃっとなるか、紙飛行機になって校庭に飛ぶかだった。

もちろん私はいい子だから、
ちゃんと家に持って帰ったけれど。

だけど、
私がそれをゴミ箱に捨てて帰った日があった。

それは、夢だと思いたい夜だった。
私はまるで磨耗されるかのように安心や自信や愛を失った。

ぐったりしすぎると思い出す。

思い出す光景は、実に明瞭だから、夢じゃなかったのかもしれない。
だけど、次の日、私は当たり前のように学校で笑っていたから、やっぱり夢だったんだと思う。

こんな夢見るくらいなら、
寝ないで朝を待てばよかったと思う。

四つ折りにして捨ててもなお捨てた気がしないのなら、
紙飛行機にして飛ばせばよかったと思う。