sumatra and cinnamon

私の好き勝手な空間。想いと知恵と発見をつらつらと。

100万円と苦虫女

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蒼井優ちゃんは、いつでも可愛いけど、
これ作品も、蒼井優ちゃん可愛い時代の1つ。


蒼井優演じる主人公、鈴子 は、
ある出来事を通して、
社会から冷たくされるようになる。

家にも居づらくなり、
『100万円貯めたら家でますから』
と、家を出ることを決心する。

そして、
100万円貯めたらまた引越し、
100万円貯めたらまた引越し、
と繰り返していく。

鈴子は、その土地その土地での出会いを経験する。

ナンパのお兄ちゃんや、
忘れられた村に住むおじいちゃん達。
バイト先の嫌味な上司。

案外、人は自分のことばかり考えていて、
それで精一杯だったりする。
そんな中で、鈴子に優しく接してくれる人たちの優しさがあったかく感じられる。
優しさは、わざとらしい時もあるし、滲み出る時もあるし、また、恋愛的な時もある。

社会から逃げるように引越しを繰り返す鈴子。
だけど、どこにだって出会いがあって、
一人じゃ誰も生きてはいけない。


私の大好きな映画。

好きなセリフ
『僕に謝ってるの?それとも、ガーベラ?』










プール

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とても好きな作品の一つである、
『プール』
について。

ベリーベリーショートの少女、サエが、
タイのチェンマイのゲストハウスへ訪れる。

この映画では、
そこに住む人たちの、数日間を覗く。

特に何か事件が起こるわけでもない。
問題があるわけでもなくて、だけどないわけでもない。
そう、
日本人が見れば、問題もあるし、問題解決もある。

だけど、そこは、タイのチェンマイ
ゆるやかな風にそっと木が揺れ、
サンダルのパタパタという音だけが聴こえる。
その雰囲気は、
問題という概念と問題解決という概念を持たせない。

そこには特に欲が見えない。
忙しく活発な毎日を過ごしているわけではないが、
毎日満足しているようにみえる。

歌いたくなったらギターを持って、
眠たくなったら寝る。

服が汚れたら洗って、そして、干す。

洗濯バサミの
パチリ、パチリ
という音がとても気持ち良い。

キョウコは、言う。
自分の好きなことをしている。
と。

誰のためでもなく、自分のしたいことをする毎日。
だから、そこには、大した社会はない。
だからこそ、とても人間らしい。


他の方のレビューには、批判的な意見も多かった。
かもめ食堂 や めがね と比べることで、
プール は、必要ない。 とか、
食事も美味しそうでもない。 とか。

私はその批判について、こう思う。

大事なのは、そこがタイであるということかもしれない。
あの清々しい空気の中、どんな料理をおいても、なんだかパサつきを感じてしまうような気がするし、
そもそも私は、タイの料理を食べた時、見た目を裏切るスパイシーさにやられた経験がある。

それからプールは、必要である。
ビーの話す日本語がとても愛らしい。
それに、社会適応能力より人間らしさが大切なこの空間は、忘れちゃいけないものを教えてくれる気がする。


うまくまとまりません。
言葉にするのは、難しい作品で。

だからこそ、みてほしいです。
だからこそ、何度も見ちゃう。




長い夢

あの人、帽子かぶってる。
っあ、あの人も帽子をかぶっている。

シェイクを吸って、きゅっと目を瞑った。
あの人は、ポロシャツの襟を立てている。

長袖のワイシャツに、ニットのベストは、もう暑そうだ。
肩にエナメルかばんがぎゅっとのしかかる鬱陶しさは、私も知っている。

私も昔は中学生だった。


窓から青空をみて、夏だなー。と思う。
でも、冬の青空と夏の青空とは、果たして違うのかどうかも知らない。

だけど、私は、今は夏で、また秋が来て、そして冬が来ることを当たり前のように知っている。
それを私は、すでに21回繰り返してきた。

私は21年間この世界を生きてきた。


私はぎゅっと目を瞑った。

するといつの間にか、さっきまで聴こえていたカフェのBGMが聴こえない。

机にぶつかって、少し痛かった二つの肘も、だらーんと伸びている。

ここが何処か、手のひらで確かめようとして、地面を掴んでみる。
地面は、いとも簡単に形を変えて、拳の中に食い込んだ。

やっと目を開けると、白い天井。

左下に丸い電気が見える。



21年間の長い夢


ひらいて/綿矢りさ


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主人公に対して、
気持ち悪い という感想を抱きながらも、
主人公の行動の理由をいつだって理解できる。

これが私だけだとしたら、
それは、すごくぞっとする事実であって、
私だけかもしれないという少しの恐怖から、
この本の感想を人と話すのを避ける。

もし誰かに、
読んだ?と聞かれても、
気持ち悪いよねー。と答えるだけであろう。

それでも今日ここにこの本を読んだことを記録するのは、このぞっとする事実について、恐怖を感じるよりも、強く感動しているからである。

恋は、そこまで膨らみ、歪んで行くものなのだろうか。
しかし、その恋はまた、はっきりと真っ直ぐなのである。
恋には、歪むも真っ直ぐもなく、何次元においても図式化できないもののような気がする。

誰ともこの本の話をしたくない。
けど
誰かとこの本の話をしたくてたまらない。






誕生日


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20150423 
約一ヶ月前のこと、
私は 21歳 になった。

ハタチになった時とは、感覚的に少し違う。
21 の 1 の部分は、老いや胸焼けの指数のよう。

今までは歳を重ねて大人になるのが嬉しかったけど、今回はなんだか違うんだ。
ちょっぴりの焦りさえ感じる。
青春なんて言葉はもう似合わないのかな。
恋 という文字にも、これからはいつも愛がしつこく絡むようになるのだろう。

そう、私は 21歳 なった。

だけどまだ、
愛されたい。
なんて思ってる。

それからまだまだ
甘酸っぱいパイン飴をなめていたい。